2011年8月8日月曜日

モノづくり以外の部分













モノづくり以外の部分についての雑感を書いてみたいと思う。それはマーケティングやプロデュース、ビジネスモデルなどと呼ばれたりする部分になる。

まず始めにどんなに優れたものでも伝える手段がなければ広がることはない。だからそれを届ける手段が必要になる。だからどんなに優れた画家であっても、一枚も売れずにこの世を去ったりする。マーケティングというと、人のふんどしで相撲をとるといったイメージを持つかも知れないが、ものを世界に届けたいと思うのならば、それは必要なのだ。そしてその循環がなければ次にモノを作る元手がなくなる。

さらに言うならば、このモノを届ける道筋も、優れた道路設計や都市設計があるように創造的行為となると感じている。モノ自体が空虚だった場合は詐欺行為のような印象を与えることもあるのだと思うが。

次にどう伝えるか。人にメッセージを伝えるのは難しい。なぜなら同じ言葉でも、個人個人によってイメージする像が異なるからだ。だから、いろいろな言葉を選び、相手と自分の共通な言葉を探して伝えていく必要がある。時には針の穴を通すような作業を延々とさせられる気になる時もある。優れたキャッチコピーとは、これができている言葉なのだと思う。それに加えて、スパイスが効いているとなお良い。相手がスパイスの味を確認できた時、「ああこれに俺は気づいた」と思う。そうすることによって、今度はその言葉が相手のものになる。

ただどうしても全員に伝えることは、理解させることは現実的には不可能だ。世界中の人と同時に会話はできない。だから誰に伝えるのかが大事になる。そしてどの様に有限の資源を配分するかということになる。

ちょっと主観的な推測も入っているかも知れないが最近面白いなと思った具体例を書いてみる。

・ドラゴン桜は東大受験をテーマにしたマンガだが、編集の佐渡島さんはマンガコーナーだけでなく、参考書の横に置いてもらうよう働きかけた。ドラゴン桜は受験生にも届くマンガだと判断した。

・ AKB48。優れたアイドルを探しだすのは相当な資源が必要となる。しかも美的センスは偏りがあり、共通解を出すのは難しい。だからその資源を削り、選び出す過程を作る方へ資源を投入した。

・韓流アイドル。優れたアーティストを探しだすのは難しい。だから原石が入っているかどうかは判断する資源を削り、とりあえず磨き上げ、物量を増やすことに資源を投入した。


下の二つは、先に書いたようにモノ軽視につながりやすく、モノが軽くなってしまえば使い捨てや詐欺的な印象を与えるといった点も補足しておく。ただこうして、考えてみると色々な問題を含むことは承知ながら、非常に興味深く読み解ける。最近、流行している「カーヴィーダンス」というやつも、マーケティング手法においても見事なような印象を受ける。

最後に、どうしたらこうした方法を考えつく事ができるのか。それに対して今思っていることは 「部分から全体を想像すること」、「複数のことを同時に走らせること」、「空気を創りだすこと」だ。ちょっと長くなってしまったので、説明は割愛してコクリコ坂の例を最後に記す。

・コクリコ坂のモデルは横浜だというキーワードを設定した。そしてKDDIと横浜市と協力してモデルとなった横浜市の名所をスタンプラリーするパンフレットを作成した。そして最後のスタンプはAUショップで押すこととなり、そこで景品がもらえる。