2009年7月13日月曜日

釣りに行ってきた

僕を含む周囲の環境は目まぐるしい進退の境界線に存在して居る。昭和ノスタルジーに思いを馳せる一方で、絶え間ない技術の発展や経済活動の転換を繰り返してきて居る。僕の中での経済発展のイメージも自動車の普及や工業地区の活性化などの或る種の泥臭さを感じさせるものから、電気自動車の誕生や計算通信速度の向上などの無味乾燥なものに代替されてしまった。高度経済成長のイメージが大きく転換してしまったのである。



団塊の世代は『豊かな生活』という言葉を掲げているが、そのイメージが伝達されることが困難になっていることを感じざるを得ない。イメージの断絶は言語の断絶となり分裂されていく。そして分裂と侵蝕を繰り返しながらネットワークを再結成し複雑に関係性を構築していく。目標という概念が崩壊しつつあるいま、そのエネルギーを何処に向ければ良いのだろうか。また包括的な概念を把握するというプロセスの中で、分断されたアイデンティティーを回復させるにはどうしたら良いのだろうか。かくも現代社会に於ける理解の範疇は分断された中に形成されている。本音と建前、リアルとバーチャル、理念と現実、云々。ともあれ僕の頭の中は、そんなスピードに付いていくこともできずに振り回されっぱなしの日々を送るのが常である。

そんな変化を横目に釣りに行く。そんな中でも僕とTKTKK(高滝湖)との関係は変わることなく続いているという訳だ。高滝湖は千葉県に在る湖だ。僕の個としての存在と地理的な湖としての存在は何処となく共時性を持つものとなって居るのだろう。今回はじめて訪れる湖には蜻蛉が飛び回っていて、夏の訪れを感じさせてくれた。目を閉じれば蝉の声と生温い風だけが僕らの周りの環境であるように感じざるを得ない。いうなれば人生の解は実存主義的手法によってのみ解き明かされていくのかもしれない。羽田をめがけて飛んでいく飛行機は多くの人を乗せることはできるかもしれないが、自由に羽ばたくことはできないのかもしれない。ジェットエンジンはレシプロエンジンより夢を感じさせないのは何故なんだろうか。

現代の釣り人は変人の域で或ると自認する。疑似餌を用い、釣り上げた魚を食する訳でも無く、釣果の過多を課題にするのでは無く、その難易度をもって是とする。此の如何ともし難い逆転現象を説明するのであれば、其れは物理的過剰性と精神的希少性の相対する状況とも言えるだろう。疑似餌に関する固執とも言える状況や、管理組合に於ける異常なまでの自己規制も此れによって説明される。アンビバレントな状況は様々な軋轢を生じさせている。



各種特異性を持つ嗜好は奥が深いと言うのが通例である。換言するならば大衆性と専門性は同居し得ないということである。疑似餌に於ける多様性は、釣行為に於ける成果とは別の要求に拠るのもであろう。ルアーを例にとって考えれば、ハードルアーとソフトルアーに大別され、ハードルアーはミノー、スプーン、クランク、スピナー等に分類される。ソフトルーアに於いてさえ、ワーム、グラブ等に分類される。しかも実際にはゲーリー等のブランド名で呼ばれるのが通例である。また形状だけに囚われること無く、その色、即ちナチュラルカラーやアピールカラー等にも執拗なまでの拘りがあり、実際どの程度のカラーバリエーションが存在するのか全て把握することは極めて困難となっている。懐疑の念を感じられるのであれば実際にJSY(上州屋)に行ってみると良い。この疑似餌コーナーの専有面積の広大さや常時確保される在庫の豊富さに驚かれることだろう。

また、釣行為の特異性は見えない対象を如何にして攻略するかにということに終始する。先に述べた変人性も、可視化不可能な対象の攻略という内容を知らずして説明することは不可能である。一般的に政治問題に於ける大衆の不理解さというのも同様の現象ではないだろうか。別の表現に置き換えるのであれば、水面下に於ける交渉は誰かに知られた次点でその論拠を崩壊させるのである。水面下に於ける魚と疑似餌の交渉というのは決して見ることはできないが、その交渉の巧みさに拠って釣果という結果に現れる。またその効果は経験を経るごとに等比級数的に増加していく。仮にRを釣果、Sを交渉のレベル、Eを経験、Pを本来備わった才能とする。Tを釣行回数とした時、SはPを基としたEの比例関数である。f(S)=P(E^T)。天候要因などの不確定事項を除くとすればこの時の釣果Rは下記の式で求められる。f(R)=f(S)×T。そしてこのf(S)の中には時間要素Tが含まれるので、釣果とは時間係数Tに対してレバレッジを何処まで活用することができるのかに帰結される。

この時間係数Tに対してレバレッジを効かせるという発想は何も釣行為に限ったことではない。この宇宙は、3次元(物理)空間と1次元時間からなる4次元時空(ミンコフスキー時空)である以上、我々の生活は全て時間係数Tに依存している。そしてここに大きな問題が想起される。「如何にして、時間を有効に使うことができるのであろう」ということである。釣行為に於いてその解を示すのであれば、其れは創造的試行錯誤ということになる。ポイント、ギアの選定からアタリに対するアワセの技術は全て創造的試行錯誤である。先日の釣行での例を挙げるのであれば、アタリの来るポイントに於いては湖面に多くの木々があり、根がかりのリスクが付きまとうこととなった。その際に安易にポイントの移動を行うのではなく、噛み潰しの位置調整を行い湖面との調整を行ったり、リグの設定をテキサスリグ等に変更を行う。そしてその試行錯誤の結果を受けて次のアクションに移る。こうした創造的試行錯誤が全体としての時間係数の効果を引き上げたのである。

と、ここまで敢えて難解かつ支離滅裂な内容を記載したのは全て滑稽な効果をもたらす為である。広義に定義すれば言葉による戯れ行為である。そして引っ込みも収集も付かなくなったのである。

2009年夏

2 コメント:

匿名 さんのコメント...

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masumi さんのコメント...

おいこら。