ーボニーアンドクライド・マニーアンドプライドー
そして、次の部署にはエンジニアとしてアサインされた。ただし、僕には後処理も残っていたし、新しい部署といまの部署は物理的に離れていたので、離れたものを繋ぐには具体的な物が必要だった。仕事としては普段は会社清算業務を進めながら、週に一度はひとつの機能を持ったコードを納めるような形になった。
ただ、だいたいこの頃だったと思う。会社を完全に辞める決断をしたのは。なぜそう思ったかといえば、「ものを作るには手と頭を連動させて動かさなければいけない」という結論が大きかった。そして、負けっぱなしでは終われないという意識があった。
この頃のことは前後不覚な感じだ。たぶん、それだけ心理的ダメージを受けていたんだと思う。そして、そのダメージに耐えるため、偶然ネットで見つけた「失ったものに対しての取り返しのつかなさを感じるのは、そこから多くの物を得ていたからだ。」という言葉を大事にしていた。
ーピース・オブ・サムシングー
この部署に入る頃に、「人生は宝探し」だと思います、と痩せ我慢をしながら伝えたことが記憶に残っている。宝探しの意味は、たぶん人それぞれなんだと思う。ただ、それに向かって進んでいく意志が重要なんだと思う。そして、今の自分はどうなんだろうと思う。
あと会社を辞めるときに思ったことは「僕が受けた幸運は別の人に返したい※」ということだった。誰かの好意を、その人に返すだけでは閉じた世界で終わってしまう。その好意を、誰か別の人に与えることが出来れば「好意は連鎖する」。そうすれば、この世の中は、もっと別のものに変わるんでは無いだろうか。
※ペイ・フォワードと言う映画の話にインスパイヤーされてます。おすすめです。
多くのことを学ばせてもらったが、感謝の気持ちを上手く伝えることができなかったと思う。気持ちを伝えるのは本当に難しい。実はいまでも伝える機会をけっこう待ってる。
(また土曜、次回最終回)