2012年9月15日土曜日
僕の5年のログポース 1
ーはじめにー
人が何かを決める瞬間、なにかがスパークする。それぞれがおのおのスパークする。僕はその瞬間が好きだったりする。その煌めきは、やがて忘れられてしまうのかもしれない。または、やがて大きな爆発になるかもしれない。
破壊的想像と言うのか、特異点と言うのか、あるいは何か別の言葉があるのかもしれない。ただ、僕らはそれをやがて受け入れ、変化していくことで、同一性を保つことができる。また、一方で過去は忘却の彼方へ消えて行く。
そんなことを考えならがすこし、自分の変遷を整理したいと思った。どこまで変容した過去を戻ってみるのが適切なのかは分からないが、まず5年くらい戻ってみたいと思う。
直接的には言えば誤解を生み、隠喩を使うほど現実から離れてしまうかも知れない。また、記憶の語り口は、人の数だけある。そんなわけで、果たして、これが読む価値のある文章か分からない。
ただとりあえず書いてしまったものは公開してもいいんじゃいかと思うので、サブタイトルをつけながら、一度に書いたものを何回かに分けて更新してみる。僕自身とっては、それが自分の残光のようなれば良いなと思う。
ーフレッシュマン・オン・ザ・グラウンドー
僕の初めての仕事はウェブマーケティングの仕事だった。ウェブマーケティングの仕事を説明するのは意外と難しい。リスティング、SEO、ソーシャルマーケティングなどの言葉を使わずに説明すると、インターネットを使って広告を出す仕事というのがせめてもの説明かも知れない。
この時にした多くの仕事は、費用対効果の確認とシュミレーションだった。例えば、この広告を出した時、いくらの売上が予想できるのか。そして、実際にはどうだったのか、と言うことだった。
当時を思い返すと、徹底的に数字についての感覚を鍛えられたと思う。これら仕事は社会人成り立てで、浮き足立つ自分に杭を打ち込むようなものだったと思う。そしてノウハウなんかより、そちらの感覚は今でも大きく役だっているように思う。
2ヶ月後、社内で立ち上がった広告代理店に兼務で出向することになる。新卒に毛が生えた程度の自分に、大きな役割を果たせ無かったように思えうが、当時の上司に「みんなでなにか成し遂げる達成感を感じて欲しい」と言われたことは今でも覚えている。僕は100%体験できた自信はないのだが、人それぞれの価値観のモザイク模様や、豪腕的手法について、さまざまな印象を持った。そして1年で辞めたいと思っていた会社について、まだまだ学ぶことが多いことを感じた。そして自分の意志で足を踏み出したいと感じたのだと記憶している。
ー海に出ること、舟に乗ること、旗を振ることー
たぶん入社して1年くらい経った後だった。新しい部署に異動した。
海に出ようと思うことと、海に出ることは違う。だけれども、まずは僕は海に何があるのかを語る人に惹かれた。僕らにとって海とはウェブのことだった。そして、アメリカ大陸を発見したコロンブスのように、まずはそこに大陸があると思うことが大事なように思った。大陸があると思わなければ、大海に出ようとは思わないし、ましてや大陸を発見することなんて無理だと思った。
ただ少し思うのは、もしコロンブスがアメリカ大陸を発見しなかったら、コロンブスは永遠に海に出たのだろうか。または、コロンブスが一回も海に出なかったら、アメリカ大陸をずっとインドだと思ったのだろうか。仮説に仮説を重ねるループはやがて、どこに行ってしまうのだろうか。僕はそんなことを思っていた。あとは、大したこともできない自分について、やきもきしていたことも少し思い出す。
(来週の土曜につづく)
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