2008年2月28日木曜日

生きるもととなる音楽

「パンクはそれまでのなによりも一番大きな衝撃だった。パンク・ロックに出会って、ようやく生きる意味、友達を見つけた気がした。」 NIRVANA カート・コバーン
かの有名なグランジという言葉をメジャーにまで押し上げたNIRVANAのヴォーカル、ギターのカートはこう言った。カートの生い立ちは不幸であった。彼がまだ小さい頃に両親が離婚し、彼はそれを自分のせいだと思いこんでしまう。そしてその後彼は親戚中をたらい回しにされていく。そんななか彼が生きていこうと思わせたのは音楽であった。これは彼だけに言える事ではないだろう。
 ロックギタリスト、ジミー・ヘンドリックスも音楽によって救われ、居場所を見つけられた一人であろう。彼の両親も彼が生まれてすぐに離婚してしまった。若すぎる母によって、親戚のおばさんにあずけられた彼には早くも帰る場所がなかった。それでも彼の母が再婚しまた両親とともに暮らすようになったが、その母も彼が15の時にこの世を去り、また彼は居場所を失った。そして彼は不良グループの仲間入りをして、窃盗などの罪で逮捕されてしまう。その時、刑務所行きの代わりに軍隊に入ることになる。そこで彼はギターに出会うのであった。そうして彼は音楽の世界でギターの神とまで言われるようになるのである。これまでいくつかの例をあげてきたが、すべて生い立ちが不幸な人ばかりである。ただ彼ら彼女らは生い立ちが不幸な故に自分が孤独であるとゆう事をより深く理解し、しかも音楽以外には居場所、生き場所を見つけられなかったのではないか。
 しかし生い立ちが不幸な人だけが音楽を生きがいにしているわけではない。何を隠そうこの自分も音楽によって救われた人間の一人である。なぜこんなにも音楽は人に影響を与えるのであろうか。
 音楽が持つ力ははかりしれない。たとえ耳の聞こえない人でも音を感じる事ができ、それによってそれまで耳が聞こえないがために暗かった人格を、音を感じる事によって変えてしまうこともできる。ある音楽を聴けば、ある風景を思い出しがんばらなければとさせるものもある。どんなにつらいときでもこの歌を聴けば頑張れるというものをもっている人も多い。終戦の年、紅白歌合戦をはじめようとした人は終戦によって落ちこんでいる人々を元気づけ、生きる活気を与えるには音楽しかないと信じて、それを実現させた。人々は活気を取り戻し、現代の日本を見ればわかるように立派に復興した。音楽には人々を幸せにできる力がある。音楽によって国を動かす事さえある。
 しかしながら、やはり音楽は一つの表現である。自己を表現できるものであると言う事が重要であろう。自己を表現する事で、自分の存在価値を見出し、それがまさに生きるもととなるのであろう。またそこで音楽によって自己を表現する人の表現を受け入れる人がいる。その受け入れる人はその事で孤独をまぎらわす事ができる。このようにして音楽は人々の生きるもとになっている。

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